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カテゴリー別アーカイブ: 日記

丸和建設のよもやま話~“速く・正確に・安全に”~

皆さんこんにちは

有限会社丸和建設の更新担当の中西です。

 

 

さて今回は

~“速く・正確に・安全に”~

人手不足と短工期の時代、ICT土工は“特別な現場”ではなく標準装備です。本記事は、測量→設計→施工→検査の各所で“どこから入れると最短で効くか”を、導入順にまとめました。


1. スタートは“測る”から:UAV/レーザ測量 ️

  • UAV写真測量:GCP(基準点)を最小でも4〜6点、遮蔽物の多い箇所は追加

  • レーザ(地上/搭載):法面・樹木下の地表形状が必要なときに有効

  • 精度管理:既知点で検証点を設け、±数cmの残差を確認

  • 成果点群・DSM・オルソをCIMへ投入


2. 3D設計データの作り込み

  • 基準面・線形・構造物を階層化(レイヤ)

  • 設計断面→サーフェスを生成して出来形の判定面を定義

  • 干渉チェック:ボックスカルバート・管路・擁壁のクリアランスを可視化

  • バージョン管理:設計変更のRev.履歴をCDE(共通データ環境)で統一


3. MC/MGの導入:効果が出る組合せ

  • ブル/ショベル/グレーダMC(マシンコントロール)/MG(マシンガイダンス)

  • 土量・仕上げ面が厳しい盛土・路盤で費用対効果大

  • 座標管理:ローカル座標と公共座標の相互変換を標準化

  • 通信:フィールドデータはクラウド同期、改版は朝礼でQR配布


4. 出来形・出来高の“自動化”

  • 点群出来形:規格値±許容差でヒートマップ表示(NGは色で一目)

  • 出来高集計:サーフェス差分で土量を算出→実行予算と連携

  • 航測頻度1〜2週に1回の定点飛行で工程管理を見える化


5. 安全×ICT:接触ゼロの運用

  • 重機周囲の“仮想立入禁止”(GNSS+ビーコン)

  • バックホー死角アラート(カメラ/センサー)

  • ヒヤリハット動画+座標で保存→再発防止教育に活用


6. 環境・近隣対応もデジタルで

  • 騒音・振動IoTセンサーで常時計測→ダッシュボード共有

  • 濁水:SS/濁度の連続監視+自動記録(報告書が“ワンクリック”)

  • 工程広報:週次のオルソ画像を使った「今週の進捗」掲示板️


7. 導入費を回収するコツ

  • 部分導入:最初は土量管理+出来形判定に絞る

  • レンタル活用:MC機はピークのみレンタル→稼働率最大化

  • 補助金・加点:要件に合えば加点・支援制度を積極活用(申請は設計データと成果物で準備)


8. データ品質の“あるある”と対策

  • 点群ノイズ:水面・金属反射→マスク処理

  • 座標ズレ:既知点の誤差→再観測・基準点の二重化

  • 設計変更反映漏れCDEで承認フロー&朝礼で更新宣言

  • ファイル肥大:領域分割・LOD・点密度調整


9. ICT導入チェックリスト ✅

  • GCP/検証点の配置図・観測記録

  • 3D設計データ(サーフェス/線形)とRev.履歴

  • MC/MG機の座標設定・通信テスト

  • 点群出来形の許容差と判定ルール

  • 週次オルソの工程共有(所内/発注者/近隣)

  • センサー(騒音/振動/濁水)閾値と通知先

  • 成果品の写真・図面・台帳の自動連番

 

 

丸和建設のよもやま話~安全・品質・工程・原価~

皆さんこんにちは

有限会社丸和建設の更新担当の中西です。

 

 

さて今回は

~安全・品質・工程・原価~

 

土木工事は**SQCD(Safety/Quality/Cost/Delivery)**の総合格闘技。どれか一つでも崩れると、現場は必ず揺れます。本記事は、着工前〜引渡しまでの実務を“そのまま使える粒度”で整理しました。明日の朝礼からどうぞ。


1. 立上げ:着工前にやるべき8つ ✅

  1. 現地踏査(埋設物・法面・湧水・通学路)

  2. 近隣説明(工期・作業時間・騒音/振動・車両ルート)️

  3. 仮設計画(ヤード・仮囲い・動線・消火器・AED)

  4. 交通誘導計画(警察/道路管理者協議・片側交互・保安灯)

  5. 雨天対策(仮排水・濁水処理・土のう・ブルーシート)️

  6. 施工計画書(工程・手順・機械・要員・検査計画)

  7. 測量・基準点(BM設定・丁張・3D座標管理)

  8. 安全衛生計画(KYT・作業手順書・リスクアセスメント)


2. 毎朝5分:朝礼KYTの型 ️

  • 今日の作業場所・内容・重機

  • 危険ポイント3つ(挟まれ・転落・接触)

  • 対策3つ(立入区分・合図員配置・足場点検)

  • 指差呼称復唱(合図の統一)「右良し・左良し・上良し!」

事故ゼロは“儀式”で作る。小さな型の積み上げが最強です。


3. 土工:雨に負けない段取り ️→️

  • 土質と含水比を毎朝チェック(手揉み+簡易測定)

  • 切盛りバランス:運土距離と待ち時間を短縮する土取り計画

  • 転圧:層厚15–25cm×規定回数/ローラーの重ね幅1/3

  • 仮排水:集水→沈砂→放流の線を先行施工(濁水対策

  • 試験:砂置換・平板載荷・CBR・路盤E値(必要に応じ実施)


4. コンクリート工:不具合“ゼロ化”の勘所

  • 鉄筋:ピッチ・かぶり・定着長の相互確認/写真はスケール入り

  • 型枠:通り・水平・すき間・剛性(バイブの当て過ぎ注意)

  • 打設:受入でスランプ・空気量・温度/供試体採取

  • 振動:層ごと・規定秒数・重ね挿入/過振で離型水を出さない

  • 養生:湿潤・保温・転圧振動の近接回避/仕上げ前に白華リスク確認


5. 舗装:平坦性と強度を両立するコツ

  • 路盤:締固め度OK→路面散水で微粉固定

  • アス合材:温度・搬入時間を台帳化/敷均し→転圧は連携重視

  • 継目:カッター直線・目地乳剤・温間ジョイント処理

  • 確認:平坦性・厚さ・コア強度・密度/ライン引きは完全養生後


6. 品質・出来形・写真の“3点セット”

  • 出来形:基準幅・高さ・勾配→丁張/TS/3Dで記録

  • 品質:各種試験成績+是正履歴を1シート化

  • 写真:着手前・途中・完了を同アングルで/EXIF・位置情報も活用


7. 原価&工程の見える化

  • 出来高カーブ(Sカーブ)×実行予算を週次更新

  • 労務・重機の稼働率(待ち時間の見える化)

  • やり直し率(工数+材料)をゼロに近づけるPDCA

  • 外注管理:出来形合格率・事故ゼロ日数・納期遵守で評価


8. 近隣に“好かれる現場”の作り方

  • 定期広報:工程だより・夜間作業案内・QR問い合わせ窓口

  • 環境:散水・防塵ネット・低騒音機・夜間照度の向き調整

  • 防犯:仮囲い掲示・巡回・資材マーキング・監視灯


9. 竣工・引渡し:最後まで美しく

  • 清掃:仮設撤去・舗装切継の段差・縁石周りの土砂処理

  • 書類:出来形・品質・写真台帳・完成平面/縦横断・試験成績

  • 検査:関係者立会→指摘は当日中に是正計画提示


10. KPIダッシュボード(週次)

  • 労災・物損ゼロ日数

  • 出来形合格率一次合格率

  • 工期遵守率(クリティカル工程の遅延日数)

  • やり直し率(%)

  • 苦情件数即日回答率

  • CO₂原単位・燃料使用量(任意)

 

丸和建設のよもやま話~経済的役割~

皆さんこんにちは

有限会社丸和建設の更新担当の中西です。

 

 

さて今回は

~経済的役割~

ということで、土木工事が果たす経済的役割について、様々な視点から掘り下げていきます。

 

私たちの生活に密接に関わっているインフラストラクチャー。その多くは土木工事によって築かれています。道路、橋、ダム、上下水道、港湾など、これら社会基盤の整備は単なる「建設」にとどまらず、日本の経済活動全体に対して多大な影響を及ぼします。


1. 公共投資としての土木工事

土木工事の多くは公共事業として実施されます。これは政府による需要創出策として経済政策の一環でもあります。不況期には積極的なインフラ投資が雇用と所得の増加をもたらし、景気回復の起爆剤となります。特に地方自治体にとっては、土木工事が地域振興の切り札となることも少なくありません。


2. 雇用創出と関連産業の活性化

土木工事には多くの労働力が必要です。現場作業員、設計技術者、資材供給業者、運送業者など、直接・間接的に多様な職種が関与しています。工事が行われることで一時的な雇用が生まれるだけでなく、建設機械や資材の需要も高まり、関連産業にも波及効果が期待されます。


3. 地域経済の活性化と均衡ある発展

土木工事が地方で行われる場合、地域経済に対するインパクトは非常に大きくなります。地元企業の参加や地元資材の使用が奨励されることで、地域内での経済循環が促されます。また、交通インフラの整備によって物流効率が向上すれば、企業の進出や観光客の増加にもつながり、長期的な経済発展が期待できます。


4. 防災・減災と経済の安定性

日本は自然災害が多い国です。土木工事による堤防の整備、斜面崩壊の防止、地震対策の強化などは、災害による被害を最小限に抑えるために不可欠です。これにより、災害後の復旧にかかる経済的損失を軽減し、社会全体の安定性を確保する役割も果たします。


5. 持続可能な成長への転換

近年では、単なる経済効果に加えて環境への配慮や持続可能性が重視されるようになっています。グリーンインフラの導入、カーボンニュートラルな材料の使用、省エネルギー設計など、土木分野でも持続可能な成長に向けた取り組みが進められています。


土木工事は単なる「建設業」ではありません。それは経済の血流を支える動脈であり、社会の安定と発展を下支えする基盤でもあります。私たちの目に見えにくいところで、多くの経済的・社会的価値を生み出しているのです。今後も土木工事の役割を正しく理解し、その持つ力を最大限に活用することが求められます。

 

 

丸和建設のよもやま話~多様化~

皆さんこんにちは

有限会社丸和建設の更新担当の中西です。

 

 

さて今回は

~多様化~

 

「土木」と聞いてまず思い浮かぶのは、道路、橋、トンネル、ダム…。確かにそれらは土木工事の重要な柱です。しかし今や土木は、「社会のインフラをつくる仕事」から「未来の暮らしを支える多機能産業」へと進化しています。技術や社会の変化とともに、土木工事もまた、多様化の時代に入っているのです。


1. 環境と共生する土木へ

近年、環境意識の高まりとともに「自然と調和する土木」が求められるようになっています。

  • グリーンインフラの導入
    雨水浸透施設や都市型ビオトープなど、生態系や自然景観を活かした土木構造物が増加中。

  • 低炭素・省資源型施工
    再生材や透水性舗装、太陽光と連携したインフラなど、環境負荷を減らす設計が注目されています。


2. 防災・減災を支える土木の役割

日本は自然災害の多い国。地震、台風、豪雨といった災害に備える土木技術の多様化が進んでいます。

  • 流域治水や地下貯水施設の整備
    まち全体で水を分散させる「分散型防災」の仕組みが整備中。

  • 緊急対応型工事
    被災地での応急工事や復旧作業に対応できる柔軟な体制と、ドローン・AIを活用した現場把握が進化しています。


3. ICT・DXによるスマート化

「スマート土木」とも呼ばれるICT活用が急速に広がっています。

  • BIM/CIMによる3D設計・施工
    設計から管理までを3Dデータで一元化し、ミス削減と生産性向上を実現。

  • 自動化施工
    ICT建機や自動運転ダンプ、遠隔監視技術により、危険な現場作業を効率化。

  • 働き方改革の促進
    デジタルツールの活用により、若手や女性が参入しやすい環境も整いつつあります。


4. 地域の課題を解決する「社会土木」へ

土木工事は、地域社会の“課題解決の手段”としても重要です。

  • 空き地活用・まちづくり事業との連携
    公園整備や広場づくりを通じて、コミュニティ再生や観光振興に貢献。

  • バリアフリー土木
    高齢者や障がい者にもやさしい歩道整備や点字ブロック設置など、福祉との連携も。

  • 教育・体験の場としての土木
    子ども向け建設体験イベントや出前授業を行う企業も増えており、社会理解の促進にもつながっています。


5. 土木は「社会と未来のインフラ」

土木工事の多様化は、単なる作業内容の増加ではありません。防災、環境、教育、都市デザインといったあらゆる社会課題に向き合い、柔軟に変化していける“未来づくりの仕事”です。


かつて「土木=力仕事」というイメージが強かったかもしれません。しかし今、土木業界はクリエイティブで柔軟な発想が求められる分野へと進化しています。

インフラを支えながら、暮らしをデザインし、地域とつながり、未来を創る。そんな土木工事の多様化こそ、持続可能な社会を築くためのキーワードなのです。

 

 

丸和建設のよもやま話~主要な業務~

皆さんこんにちは

有限会社丸和建設の更新担当の中西です。

 

 

さて今回は

~主要な業務~

ということで、土木業界で行われる主要な業務を分類し、それぞれの特徴や注意点について詳しく解説します。

 

土木工事業は、人々の暮らしを支える社会インフラの整備や自然環境との共生を実現するために、多種多様な業務を担っています。


1. 道路工事

■ 概要

道路の新設・補修・舗装などを行う工事で、もっとも身近な土木業務の一つです。

■ 特徴

  • 交通量の多いエリアでは夜間施工や交通誘導が必要

  • アスファルトやコンクリート舗装など材料選定が重要

  • 平坦性や水はけ(排水勾配)など高い施工精度が求められる


2. 河川・治水工事

■ 概要

川の護岸整備、堤防の強化、排水路の整備などを通して洪水や水害を防ぐ工事です。

■ 特徴

  • 季節(梅雨・台風)による施工計画の見直しが必要

  • コンクリートブロックや大型石材の据付作業が中心

  • 流量計算や土留め計画など高度な設計知識が求められる


3. 上下水道工事

■ 概要

給水管・排水管・下水道などのインフラ設備を設置・更新する工事です。

■ 特徴

  • 地下埋設作業が中心で、他のインフラとの干渉に注意

  • 作業中の水漏れやガス管接触のリスクに配慮

  • 生活に直結するため、迅速な施工と丁寧な復旧が重要


4. 橋梁・トンネル工事

■ 概要

橋やトンネルを新設・補修する大型構造物の工事です。

■ 特徴

  • 専門の重機・仮設構造物の利用が不可欠

  • 長期間にわたる工期と高度な構造設計が求められる

  • 地盤調査や構造解析など、事前計画が成功の鍵を握る


5. 造成工事(宅地開発など)

■ 概要

山を削ったり土地を盛ったりして、住宅や工場などの建設に適した地形に整える工事です。

■ 特徴

  • 切土・盛土の安定性評価が極めて重要

  • 土壌の排水性や地盤支持力に関する検査が必要

  • 環境保全や近隣住民との調整も業務の一部


6. 外構・景観工事

■ 概要

公園、広場、歩道、緑地帯など、人の暮らしと自然の調和を図る土木業務です。

■ 特徴

  • 設計段階での景観性やユーザビリティが重視される

  • コンクリートと植栽の融合技術が問われる

  • 地域ごとの特性(気候・文化)を反映させる工夫も重要


土木工事業には、道路や橋といったハードな構造物の施工から、河川整備、上下水道、外構設計まで多岐にわたる業務が存在します。それぞれの工種に独自の専門性と施工上の注意点があり、プロジェクトごとに求められるスキルや管理能力も異なります。

現場での安全性・品質・工程の最適化を目指すうえで、各工種の特性を理解することは極めて重要です。

丸和建設のよもやま話~地盤確認~

皆さんこんにちは

有限会社丸和建設の更新担当の中西です。

 

 

さて今回は

~地盤確認~

ということで、地盤確認の基本から現場での対応、注意点までを詳しく解説します。

 

土木工事の品質と安全性を左右する最も基本的かつ重要な作業の一つが「地盤の確認」です。地盤の状態を誤って評価すれば、沈下・崩壊・液状化などの重大な構造被害や災害を引き起こす原因になります。


地盤確認の目的とは?

地盤の確認は、主に以下の目的で実施されます

  • 安全な基礎設計のための地盤強度の把握

  • 施工計画の適正化(機械選定・施工方法)

  • 将来的な構造物の沈下・崩壊リスクの低減


地盤確認の主な方法

1. 地歴調査・資料調査

  • 過去の土地利用(農地・沼地・埋立地など)を確認

  • 地質図・航空写真・地盤情報データベースを活用

2. 現地踏査(フィールドチェック)

  • 土の色、匂い、水分含有状態を観察

  • 地割れ、陥没、水たまりの跡がないかを確認

3. 原位置試験(フィールドテスト)

  • スウェーデン式サウンディング試験(SWS):住宅基礎に多用される簡易試験

  • 標準貫入試験(SPT):N値により支持力を評価。大型工事に必須

  • 平板載荷試験:現地で直接支持力を計測

4. 土質試験(室内試験)

  • 採取した試料を用いて、粒度分布・含水比・圧縮試験などを実施


地盤調査の結果をどう活用するか?

調査結果に応じて対策を講じる必要があります

地盤状態 推奨される対応策
軟弱地盤(N値5以下) 表層改良、柱状改良、深層混合処理など
埋立地 支持層まで杭を打つ杭基礎
砂質地盤 液状化対策(砕石パイルや締固め)
粘土層が分布 土留め・排水対策の強化

よくある現場の注意点

  • 雨天直後の地盤観察は、表面の水分状態に惑わされる恐れがある

  • 機械が入る前に、地盤の沈下や転倒リスクを十分評価する

  • 造成地や宅地転用地では、盛土と原地盤の境界を見極めることが重要


地盤確認を怠った場合のリスク

  • 建物や構造物の不同沈下

  • 土砂崩れ、のり面の斜面崩壊

  • 杭の打ち直しや基礎のやり直しによるコスト増

  • 発注者・住民からの信頼失墜や損害賠償リスク


地盤確認は、土木工事の「最初にして最も大切な仕事」です。精度の高い調査と現場に応じた柔軟な対応が、工事全体の成功を大きく左右します。技術者としての信頼を築くためにも、時間と手間を惜しまない姿勢が求められます。

 

ブログ更新をはじめました。

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今後ともよろしくお願いいたします。